レシピ58 タガリア(االتقلية السودانية)
アフリカ北東部に位置するスーダン(広さは日本の約5倍)。
古代からエジプト文明と深い関係があり
ナイル川流域に位置するスーダン(源流側)とエジプト(下流)は
1959年にナイル川の水資源を分配する二国間協定を結んでいます。
2023年から現在も内戦が続いており
学校の約80%、病院の約70~80%が閉鎖され(2025年データ)、教育・医療システムが崩壊
ユニセフさんが「スーダンは世界最大の人道危機に直面している」と明言しています。
石油や金などの資源が豊富なことが紛争の一因にもなっているので
資源の豊かさ=幸せとは限らず、むしろ複雑な問題に直面することが多いことがわかります。
今回ご紹介するタガリアは、スーダンの伝統的な煮込み料理。
アフリカあるあるのオクラ(ただし、今回はオクラ粉)が使われています。
オクラ粉は、他のアフリカ諸国でも使われていますが
スーダンでは、とろみをつけるために用いることが多いようです。
材料(2人分目安)
| 紫タマネギ | 1個 | 
| 油 | 大さじ3 | 
| 牛ひき肉 | 250g | 
| トマトペースト | 大さじ2 | 
| トマトジュース | 500ml | 
| 大さじ2 | |
| 塩・こしょう | 適量 | 
| ニンニク | 1かけ | 
作り方
① みじん切りした紫タマネギを油でじっくり炒め、濃い茶色になるまで加熱。火を止めて、軽くつぶしてペースト状にする。
② ①に牛ひき肉を加えて炒める。トマトペースト、トマトジュース、みじん切りしたオクラを加え、弱火で15分くらい煮込む。
③ カレー粉、塩・こしょうを加えてさらに10分くらい煮込む。油が表面に浮いてきたら、すりおろしたニンニクを加え、火を通したら完成。


日本人にお馴染みのトマトミートソースかと思いきや、そこはかとなく違う。
オクラから漂うアフリカンスピリッツ。 トマトソースにオクラを合わせる発想はなかった。
普通に美味しいです。
麺を合わせるならパスタより、うどんやそうめん、中華麺の方が合うかもしれません。
スーダンは、アラビアガム(アカシア属の樹木から採取される天然樹脂)の生産国で
日本が輸入するアラビアガムの約6割がスーダン製です。
食品・医薬品用途に適していて、品質が良いらしい。切手の接着面の糊にも使用されているみたいですよ。
スーダンは、エジプトよりも現存するピラミッドの数が多いそうです。知らなかったー。
スーダンのピラミッドは、エジプトのピラミッドより細長く、急勾配なのが特徴(高さは6〜30m程度)。
王族だけでなく貴族用も作られたため数が多いとのこと。
スーダンのピラミッドがあまり知られていないのは
内戦による治安悪化で観光客を呼べないことが大きな要因でしょうね。
エジプトに比べて未発掘のものも多いらしいですが、風化や盗掘による損傷が心配です。
監視体制が整っているエジプトでも、地方の未登録遺跡などでの盗掘はあるみたいですけど。



